サービス事例 / 2014年5月2日

当社で手がけた技術サービス事例をご紹介します。

AC コブラ

2014年5月2日

ACコブラ(AC Cobra 、エーシーコブラ)は1960年代を中心に製造されたイギリス及びアメリカ合衆国のスポーツカーです。

1950年代までAC自動車は他の多くのイギリス中小自動車メーカーと同様、ブリストル自動車製の直列6気筒エンジンをAC Aceなどに、その小規模な生産の中で取り入れていました。これらは鉄製のフレームにイングリッシュ・ホイールで作成されたアルミニウムのボディをまとったハンドメイド、エンジンは第二次世界大戦前に設計されたBMW製のものでした。

1961年、ブリストル自動車はエンジンの生産を中止。そしてクライスラー製の313in³(5.1L)V8エンジンの採用を決定。この事態を受けてAC自動車は経営難に陥りました。その後、AC自動車はフォード・モーター製Zephyrの2.6Lエンジンを採用。同年9月、アメリカ人レーサーのキャロル・シェルビーはV8エンジンを搭載した車の製作を同社に提案。シェルビー自身がエンジンを調達することを条件として合意が成立。シボレーは同社のコルベットの対抗車種に成り得るという懸念からエンジン提供を断ったが、フォードから最新のウィンザーエンジン(260 in³ HiPo (4.2 L)V8)を受けられることになった。

1962年1月、AC自動車のメカニック テムズ・ディットンは221in³フォードV8エンジンを搭載した試作車CSX0001を製作。同年2月、同試作車の走行テストを終えた後、エンジンとトランスミッションを取り外しシャシーのみをロサンゼルスのシェルビーの下に空輸。

AC自動車自体もV8新型車を生産ラインに乗せることはフォード2.6Lゼファーエンジン採用の経験と現存車ACエースのフロントエンドの拡張のみ、という点から比較的容易でした。それよりも重点的に改良が必要だったのは巨大な出力に耐えうる車体構造で、旧式のENVユニットに代わりソールズベリー4HUユニットに内蔵型ディスクブレーキを採用し軽量化を図った(ジャガー・Eタイプも同じ形式を採用している)。しかし量産モデルにはコスト削減の目的からディスクブレーキは外付けになっています。ACエース2.6から第一号コブラへのフロントエンドの改良はワイドなV8エンジン搭載による視界確保のためのステアリングボックスのみにとどまりました。

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