鑑賞の前準備
美術品などの鑑賞に行く前に必要なこと…
出来ればやっておきたいこと、と言った方がいいのかもしれない。
まずは、やはり作品についての予備知識、
そして作者の制作過程、生い立ちや歩みなど……
その対象作品と同年代の作品・作者、ライバル、
作品のジャンル、分類…
美術史的位置づけ?……
上記の内容をしっかり頭に叩き込んで行けば、
バッチリでしょう!
……しかし、実際は作者の名前くらいしか覚えていない状態で
美術館や博物館へ行ってしまうことの方が殆ど…(-。-;)
これは凄く勿体無いことなんじゃないか!?と最近は思います。
中学の頃美術部にいた私は、部活の一環で、
美術館に、ある彫刻家の作品を鑑賞しに行きました。
事前に顧問の先生は、生徒たちに図書館へ行くように言いました。
鑑賞する作品について調べたり、作者について知るためです。
あの頃の私は若かった……
(本物を観にいくのに、なんでこんなことさせるんだ?それに、
作品の作られた背景や作者の意図に何の意味があるんだ?
作品そのもので伝えられなきゃ、そんなの意味ないじゃないか?)
こんな風に思っていて、渋々という感じに資料集めをしていました。
今は、どちらかというと、顧問の先生のやり方に賛成です。
というよりは、まぁ、やはり勿体無いから、という理由なのですが。
色々といままでみてきて、作品とだけ向き合っただけじゃ、
浮かんでくる疑問は解消出来ないことが多いからでしょう。
確かに、作品から全てを感じ、読み取れれば一番なのでしょうが、
大体いつも、作品と作者の「凄さ」だけしか分からないのです。
鑑賞していて浮かんでくる様々な疑問、
たとえば、(どうやって描いてるんだ?)という技法についてや、
(何があったんだ?)思想や気持ち、作者の制作の背景など…
(あれ、この人達、同年代のアーティストか…。会ったりしたことあんのかな)
(白ばっかり、好きな色なのかなぁ)
(また同じモデルだ…娘か?)
などなど、疑問が溢れるばかり。
こういう疑問も、予備知識が入っていると、
(ああ、これが噂の一木彫かぁ)とか、
(奥さんが死んだ後にこれを描いたんだよな…)とか、
(この人達、タッチが似てるけど、確か同門だったな)とか、
また違った見方が出来るんですよね。
出来れば、理想は同じ作品を2回以上は鑑賞する。
1回目は、空っぽのまま作品と向き合う。
2回目以降は、ちょっと知識を入れて、向き合う。
これがいいのかもしれませんねー。
こうすることで、勿体無い感が無くなって、
より、作品を楽しめるような気がします。
ということで、かなり楽しみな「阿修羅展」は、
2回はみに行きたい!!
(かつて修学旅行でみた時は、何も知らないまま、ただその美しさに
見惚れるばかりでした。顔が3つ、腕が6本、このバランス…
今度は、それ以外も感じ取れるようにしたいですね)