その者、鬼神の如く
今日、ここに書き綴るのは、1人の男と獣の記録である。
私はこの半年間、彼らの生態や習慣を観察することに時間を費やしてきた。
これはその一端となるが、今の内に、いや、生きている内に、ここに記しておく。
私がネ申に見放されていなければ、記録は追加されるだろう。
彼らに最初に出会ったのは、初春。桜も咲いて間もない頃か・・・
彼は人の年齢にして、23歳。見た目も23歳。
目の輝きは、どこか幼さを感じさせるが、時に鋭さを漂わせている。
肌の色は、やや褐色で祠(ほこら)の中に篭るといった感じではない。
姿、身なりは健康的と言うべきか、部族特有の衣装。
男の名は「ヤマムー」。
そして、この男が駆る獣はトヨタ.210ハイラックス・サーフ
四つ足駆動制御の大型獣である。
ヤマムーは、この獣を愛してやまない。
このサーフへの愛情の表れは、まず、足元に輝く22インチの「ワーク」爪、LS207に見て取れるであろう。
太陽のように大きく、鏡のように煌く、そのLS爪は、見た者の魂をも映すかのようで、シャッターに触れる私の指先は小刻みに震えた。ブルブル・・・・ ネ申よ・・・
以前、目にしたときは20インチのLS爪だった気がするが、今、目にしているのは、紛れも無く、以前のそれとは違った。
恐らく爪を強力にすれば、戦いも楽になるし、天敵に対して十分威嚇にもなる。合理的だ
そして、捕食の効率化の為か、低姿勢で獲物に近づけるように、足廻りを短くしている。
ズーム族に古くから伝わる、秘密の儀式によるものだ。
まさに地を這う、ハンターだ。
一度目が合えば、逃げおおすことは叶わぬ。
生贄の祭壇に祀り上げられるであろう。
撮影は命懸けだ・・・
まるで何かに取り憑かれたのかのように、サーフに愛情(財産)をつぎ込むさまは
まさにローンレンジャー!!
ヤマムーは行く
鬼神の如くサーフを駆り、このコンクリートジャングルを・・・・
【写真上】高性能光学迷彩を用いての超接近撮影!
荒い息遣いが伝わってくる。
【写真中】100m先からのショット。
私は既に、ヤマムーとサーフの視界に入っているが
接近可能半径ギリギリなのでセーフ。
しかし、油断は禁物だ。
【写真下】ヤマムーの崇めるネ申の姿をモチーフにデザイン
されたと思われる、LS爪。威圧感はバッチリだ!
自身の姿が映っている。
※次回はサーフの体内に挑む。
一つ間違えば、命を落とすはめになる。
これが最後の記録とならなければいいが・・・
担当者:みなうち