懐かしい写真を見て・・・
数日前の事ですが、自分の棚の整理をしていたら、一枚の写真が出てきました。
高校2年のラグビー全国大会広島県予選決勝の時の写真でした。
「おぉ~懐かし~」と少し眺めていたら、
やはり今でも、映像を再生するかの様に鮮明に記憶がよみがえるものですね。
相手は福山誠之館高校、練習試合、春の公式戦、夏の合同合宿、全て連敗。
誰もが誠之館が勝つだろうと予想されるなか、全国大会(花園)に向け決勝試合が始まりました。
前半、誠之館に勢いでも押され、得点も17-3でリードされたままハーフタイム。
完全に試合の流れは誠志館。
ハーフタイム終了間際、負ければこのメンバーでする最後の円陣。
先輩が、「俺達が今までやってきたきつい練習は何の為や、苦しくて泣きたくなる様な
練習をやってきたんやろ、この一年間をラスト30分に賭けようや!」
そう言った時メンバー全員の中で何かが変わりました。
私も、「この一年間の苦しい練習を思えば、たった30分やんか」そう思った瞬間、
ぶるっと武者震いをしたのを覚えてます。
後半戦開始、メンバー全員の動きが変わりました。とにかく全員が攻めて攻めて攻めまくる。
心臓が破裂しそうなくらい前へ前へ走り、気づけば試合の流れをひっくり返していました。今思い返してもあの時、きつかったという記憶は全く無いですね。
ラスト10分を切った時、最後のチャンスが来ます。相手誠之館がゴール正面で反則。
ペナルティーキックは確実に入る位置。
誰もが、ペナルティーキックを選択しキックを入れ、少しでも点数を稼ぐはずと思ったそうです。
ペナルティーキックは、相手が反則した位置からキックでゴールを狙う事ができます。
しかしペナルティーキックを、選択しようなんて私達の誰一人考えていませんでした。
なぜなら、この時17-13で誠之館リード。
ペナルティーキックは1ゴール3点です。キックが入っても17-16、残り時間はあと数分。私達にはトライを一本取るしかなかったんです。1トライは5点。
誠之館側もペナルティーキックだと見切り、ディフェンスをゴール下に集めます。
その時です。今まで私達の突進を猛タックルで阻止していたディフェンスラインに、
穴が空いたんです。
私達は一直線に突っ込みます。ゴールラインまで数メートル。
誠志館も捨て身でタックルに来ます。一人倒され、また一人倒され、
ゴールラインが目の前まで来た時、一人がボールをかかえ飛び込みました。
次の瞬間「ピーッ」「トライ」!
ついに逆転! 18-17 ゴールキックを決めて20-17
時間はもうありません。
審判がホイッスルを口にして、ついに「ピッピッピー」ノーサイド。
ラスト10分からの大逆転、しかも通年全敗の相手に。
スタンドのお客さん達も、みなビックリしていたそうです。
この試合を通じて、何事も諦めずに死にもの狂いで、頑張ると叶う事もあるんだな。といい勉強になりました。
担当者:たけち