【コラム】タイヤの縦溝のお話
「ガソリンスタンドでタイヤのミゾが少ないから交換したほうが良いって言われたけど、ミゾが少ないとなにが悪いの?」
↑コレはタイヤ屋さんがとてもよく投げかけられるワードですね(σ゚∀゚)σ
タイヤに刻まれているミゾは様々な役割がございますが、今回は夏タイヤで重要な役割を持っている“ストレートグルーブ”、通称“縦溝”の役割のお話です(ノ゚∀゚)ノ
タイヤをどう眺めるかでどれが縦か横か悩んでしまうと思いますので、上記の写真にわかりやすく線を書くと・・・
この水色の線のことですね( ゚∀゚)
これは雨天時の濡れた路面での安全性に関わる重要な溝でして、このミゾが少ないと“ハイドロプレーニング現象”を引き起こしやすくなるので危険なんです(´・ω・`)
みなさまは教習所で教わった“ハイドロプレーニング現象” “フェード現象” “べーパーロック現象” “スタンディングウェーブ現象”を 覚えていますでしょうか?ヽ(`・ω・´)ノ
溝があると
黒いのはタイヤを輪切りにした模型ですね(ノ゚∀゚)ノ
水色の線が 水たまり のつもりの線ですが、そこに写真のような溝のあるタイヤが乗っかると、
このようにしっかりと溝があれば水たまりをかき分けて進めますし、ミゾの隙間に水の逃げ道が確保されることでタイヤが地面に密着しやすくなり、そのままタイヤの回転で後方に排出してくれますので安全に走行できます(σ゚∀゚)σ
溝が無いと?
溝が無いタイヤだと水たまりに入ったときに、
水が溝に逃げ込めないので、車両の速度によっては排水が間に合わずに水の上に乗っかってツル~っと滑ってしてしまう状態になります(´・ω・`)これがハイドロプレーニング現象!
授業中に下敷きを床に落とした経験がある方なら想像しやすいと思いますが、空気の逃げ道が無いために下敷きと床の隙間の空気がなかなか逃げないので浮いてしまって床をス~ッと滑走してしまうことがありますよね?(っ´∀`)っ
しばらく滑走して下敷きと床の間の空気が抜けたら床面に接地して止まりますが、タイヤも同じです!
ハイドロプレーニング現象が起きたら水に浮いていて地面とタイヤが接触していない状態になるので、ハンドルを切っても曲がらないしブレーペダルを目いっぱい踏んでも止まりません(;´Д`)
そんなときにできることは一つ、“祈るだけ”です(´・ω:;.:...
自然と慣性力が弱まって水の排水が間に合う速度まで落ちるか、滑った先にたまたましっかりタイヤが食いつく路面があってコントロールが戻るようになるか、そのまま祈りが通じず何かに突っ込むか・・・。
運転中にそんな運任せはしたくありませんよね( ´・_・`)
床を滑走する下敷きには、“下敷き”という役割を無視して穴を数ヶ所空ければ床との間の空気がすぐ抜けるので滑走しないで床に落ちるようになります( ゚∀゚)
その下敷きに空ける穴は言わずもがな、タイヤでいうところのミゾの役割ですが さすがにツルツルのタイヤに新しく溝を掘るようなことはタイヤの破裂に繋がる行為なので致しません(・_・;)
なので『タイヤの溝が少ないので、溝がたっぷりある新品タイヤに交換しましょう!』というお話になるんですねヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ
溝の限界値
ちなみにタイヤのストレートグルーブ(縦溝)には限界値を表す印がついていて、それが矢印部にある“スリップサイン”という小さい出っ張り!
これが地面に接触するぐらい縦溝が減ると“残り溝が1.6mm”という使用限界で、雨天での水捌けの安全性が確保できない為に整備不良となり道路交通法違反ですし車検にも通りません!
ちなみに新品タイヤの溝は普通乗用の夏タイヤならタイヤサイズによりますが6~8mm程度とお考え下さい!
しかし「じゃあ使用限界の1.6mmまでキッチリ使い切ろう!」というのもオススメしません(・_・;)
水捌けの性能はもちろん残り溝の減少に応じて低くなり、3mm以下になるとガクンと排水性能が低下します(;´Д`)
タイヤの寿命はどれぐらい?知っておきたい交換時期と見分け方 - タイヤの点検・整備 - タイヤを知る(乗用車用) - 株式会社ブリヂストン (bridgestone.co.jp) より引用
性能の低下も感じやすくなることで、実際にブリヂストンの調査結果では残り溝3~4mmでの交換が一番多いということが分かっています(っ´∀`)っ
ちなみにタイヤ1本が地面と接している面積は『はがき1枚分』と言われております( ゚∀゚)
当てがってみると、こんな感じ!
ハガキ1枚の上にスマホを置いてみると、そんなに面積も変わりませんね(゚д゚)
タイヤ4本で車1台分を並べてみると、
iPadとほとんど同じ(;´∀`)
床に置いてみてボクの靴(28cm)を乗せると、
ほぼ一緒!!(;゚Д゚)
そう、今や軽自動車でも1トン(1,000kg)を超え、大きめのミニバンなら2トンオーバークラスの時代でもタイヤが地面に接しているのは成人男性の靴の裏と変わらない面積なんです(・_・;)
そんなタイヤには車における全ての安全性を求めなければいけないので、しっかりと安心感のあるタイヤを選んで安全なカーライフを楽しむようにいたしましょう(っ´∀`)っ
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担当者:やっち