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名車&名機 BNR32 スカイラインGT-R&RB26DETT

【日産 スカイラインGT-R】
2017年11月7日

ニッサン スカイラインGT-R BNR32

第2世代 RB26エンジン系(1989年-2002年)

3代目 BNR32型(1989年-1994年)

日産・スカイラインGT-R(3代目)

BNR32型   参照元 wiki


販売期間 1989年8月 - 1994年11月(生産終了)


乗車定員 4名

ボディタイプ 2ドアクーペ

エンジン RB26DETT

駆動方式 4WD

最高出力 280PS/6,800rpm

最大トルク 36.00kgf·m/4,400rpm

変速機 5速MT

サスペンション 前:マルチリンク 後:マルチリンク

全長 4,545mm 全幅 1,755mm 全高 1,340mm

ホイールベース 2,615mm 車両重量 標準1,430kg - 1,480kg Vスペック 1,500kg

総販売台数 4万3,661台

 

1989年5月22日、8代目スカイライン発表。

GT-Rを含む4WD車は8月発売とアナウンスされた。 1989年8月21日発売。型式はBNR32

先代KPGC110の生産終了より実に16年ぶりとなるGT-R復活であり、

当時日産で行われていた901運動の集大成として開発されたR32型GT-Rは、

ATTESA E-TS、Super HICASといった当時の最新デバイスに加え、エンジンに

専用設計されたRB26DETTを搭載し、日産・フェアレディZ(Z32型)

・インフィニティ・Q45(G50型)とともに、日本初の300PS車としてトリオで

発売される予定であったが、当時の諸事情により実施された自動車馬力規制により、

いずれも日本向けは280PSとされた。フェアレディZとインフィニティ・Q45は、

海外輸出仕様は300PSであったが、GT-Rの輸出はなかった。


このRB26DETTの排気量は、2.6Lという当時としては“中途半端な”排気量設定がされている。

これは当時グループA規格で行われていた日本のツーリングカーレースの最高峰、

「全日本ツーリングカー選手権(JTC)」のレギュレーションに対応させたことが理由。

なお、GT系標準モデルとの外見上の違いは、専用16インチアルミ鍛造ホイール、

前後フェンダーの拡幅化、アルミ製フロントフェンダーおよびアルミボンネット採用、

フロントグリルの追加、専用フロントバンパー、専用リアウィングが挙げられる。


1990年にはグループA参戦マシンのホモロゲーション用モデルとして500台限定でGT-R NISMO

が発売され、同年よりR31型スカイラインGTS-Rに替わり参戦した全日本ツーリングカー選手権

においてデビューウィンを果たす。参戦初年度でありながら、年間を通して

カルソニックスカイラインを代表とするGT-Rの強さを印象付け、世界中で最強を誇っていた

フォード・シエラRS500を全日本選手権から駆逐し日本国内のみならず、日本国外の

自動車レースも席巻した。その後、全日本ツーリングカー選手権がFIAのクラス2規格

(排気量2,000ccまでの4ドアセダン車両をベースにしたJTCC)で行われることが決定したため

1993年以降は全日本GT選手権に戦いの場を移すこととなる。ほかにグループAより改造範囲の

狭いグループNに対応するため、主にブレーキ系の性能を向上させたVスペック・VスペックIIが

発売されている。


車体色のバリエーションはイメージカラーとなるガングレーメタリック(KH2)の他に

クリスタルホワイト、ジェットシルバーメタリック、レッドパールメタリック、

グレイッシュブルーパール、ダークブルーパールなど、前期モデル、中期モデル、

後期モデルで計8色販売された。なお当初はダークグリーンM(DH0)での販売も予定

されており発売前の販促カタログにも掲載されていたが、色と共に試作車も作られたにも

かかわらず、結局このカラーでのGT-Rは販売されなかった。なおこの車体色は中期以降の

GTSグレードにて採用されている。


メカニズムなど


BNR32型最大の特徴は、上述の通り当時の最新装備が多数採用されたことである。

特筆すべきは、PGC10型からKPGC110型まで自然吸気エンジンかつ後輪駆動であったGT-Rが、

このBNR32型ではツインターボエンジンRB26DETTが専用に開発・搭載され、足回りも

「ATTESA E-TS」・「Super HICAS」を搭載し、FRから4WDとなったことである。

その中でもRB26DETTエンジンは、S20型同様モータースポーツ参戦を前提に開発されていた

ものであったため、市販車の平均的な水準をはるかに上回るエンジン強度を誇り、

出力も280PS/36kgf·mを達成するなど非常に強力なエンジンとなっている。


足回りのATTESA E-TSも、基本的には後輪を駆動させ、前後4輪の車輪速度センサにより、

トルクを前輪に0:100 - 50:50の範囲で配分する。そのためコーナリングでは、

後輪駆動車のような走りが可能となっている。


しかし欠点として、RB26エンジンはエンジンブロックが丈夫さと引き換えの鋳鉄製であり、

これにより車重が増加した。そしてフロントヘビーな配分と、高度なアテーサE-TSなどの

デバイスが災いし、標準装備のブレーキではハードな走行に耐え切れず、レース参戦初期には

強いアンダーステアに悩まされ、ブレーキフェードによるリタイアもあった。その後の対策

として、Vスペックではより大型のブレンボ製ブレーキキャリパーが採用されている。


グレード

標準車

発売初期からラインナップされていた標準グレード。車両重量は、

前期型は1,430kg、中・後期型は1,480kg。

GT-R NISMO 

1990年の全日本ツーリングカー選手権初戦に合わせて500台限定で生産されたGr.A参戦

マシン用ホモロゲーション用モデル。モデルコードはKBNR32RXFSL-RA。

セラミックタービンからメタルタービンへ変更され、それに合わせてエキゾーストマニホールドも

専用品を使用しているほか、エアコン・オーディオ・リアワイパー・ABS・インタークーラーグリル

が外され、前期型の1,430kgより軽量化が図られている。また、外装では冷却効率の改善を図るため

ボンネット先端のグリル上部に吸気流入量増加を狙ったフードトップモールおよび

フロントバンパーに開口箇所を追加(通称「ニスモダクト」)、空力特性の改善のため

サイドシル後部にはリアタイヤ周りの整流を目的としたプロテクターが装着され、

リアには小型のリアスポイラーが付与されている。このモデルは、快適装備は、

もちろんリアワイパーも軽量化のために、省かれた究極のスポーツモデルである。

 

Vスペック

1993年2月のマイナーチェンジ時の際に登場。標準車のフロントブレーキローター径296mmに対し

て324mm、リアブレーキローター径297mmに対して300mmにそれぞれ大径化し、

ブレンボ製ベンチレーテッドディスク(フロント4POT、リア2POT)と225/50R17インチBBS製

ホイールを装備した上位モデル。これに合わせてサスペンションの再セッティングと、

ATTESA E-TSのロジックパターンが変更されている。車重は1,500kg。

 

N1 

1991年7月19日発売。N1耐久レース(現在のスーパー耐久)での使用を見越し設計されたモデル。

基本的には快適装備の除去やABSレスなどGT-R NISMOと同様のものであるが、

エンジンブロックの肉圧を増加させ、出力アップによる耐久性を持たせたN1仕様のRB26エンジン、

NISMO純正ホイール、NISMO製ステアリング、マフラー、ストラット・タワーバー、

大型化されたブレーキローター(これによるピンホールの廃止、ブレーキ導風板の追加)、

角型2灯式ハロゲンヘッドランプへの換装が行われている。また、車体色はクリスタルホワイトのみ

である。後にVスペックが発売されると同時に、ブレンボ製ブレーキが追加されたVスペック準拠の

VスペックN1となった。

 

VスペックII

1994年2月に発売。コーナリングスピードの向上を図るため、Vスペックのタイヤを245/45R17に

したもの(Vスペック発売当時45Rの認可が下りず、発売翌年に解禁となった)。

 

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