サービス事例 / 2016年1月25日

当社で手がけた技術サービス事例をご紹介します。

マルチホイールが無くなる?

2016年1月25日

今日は少しマニアックなお話を・・・。「マルチホイール」についてです。

画像をみて「あっこれのことか!」とすぐにお分かりの方も多いと思いますが「マルチホイール」とは車に取り付けするための穴が複数空いているホイールのことです。

乗用車は車種によって4本~6本のハブボルトで取り付けされています。

もちろん4本用のホイールを5本の車につけることはできませんので、まずは自分の車が何本のハブボルトなのかをしっかりと確認する必要があります。

ここまではどなたでも容易に確認できるのですが・・・ここからが少し複雑になります。

次に調べなければいけないのが「PCD」です。

「ナット座ピッチ直径」(車のホイールを固定する全てのハブボルトの中心を通る仮想円の直径)のことですが、わかりやすく言えば「ボルトの間隔」のことです。

実はこのPCDも車種によって違うので厄介です。

現在、国産の軽・コンパクトカーは「100/4H」を主に採用していますが、乗用車は「114.3/5H」と「100/5H」が混在し統一されていません。

一昔前は、軽自動車は 「100/4H」「110/4H」「114.3/4H」とメーカーによってPCDがまちまちで、ホイールを選ぶ際は注意が必要でした。

そこで登場したのが「マルチホイール」です。 様々なPCDに対応できるように穴がたくさん開いています。車種により取り付ける穴の位置を変えられますので非常に便利なホイールです。

しかし・・・ 時代は変わり、最近ではこのPCDが各メーカーで統一されるようになってきました。そうなるとこのマルチホイールの必要性はなくなります。そして、一昨年~昨年にかけてマルチホイールの製造を終了するメーカーが続出し、今では数社ほどしか生産していない状況です。

一時は非常に便利で重宝されてきたマルチホイールですが、これも時代の流れでしょうか?

昨日には当店で唯一在庫していたマルチホイールがお客様のもとへ旅立っていきました。

非常に淋しい思いをいたしましたが、仕方がありませんね?

マルチホイールのお話でした。

担当者:池田