サービス事例

当社で手がけた技術サービス事例をご紹介します。

AZR60ヴォクシー スロットルボディ交換?? その前にまずは清掃です。

【トヨタ ヴォクシー その他 その他 > 関東運輸局長認証工場 自動車整備・点検・修理 ができます エンジン不良・オイル漏れ・ラジエーター・オルタネーター ベルト・ブレーキ周り・ブッシュ・その他各種部品交換が可能です 法定12か月点検も随時受付中です】
2016年6月29日

最近なぜか60系のノア・ヴォクシーの入庫が多いタイヤ館瀬谷です。

「めちゃくちゃ売れた車」ですから、タイヤ交換で入庫されるお客様も当然多くいらっしゃいますが、車の不調を訴え入庫する車両が後を絶ちません。

先日はオルタネーターの不良で交換したお車をご紹介しましたが、本日は「スロットルボディ」です。

「スロットルボディー」?? なんだかすごく筋肉質な男気あふれる部品名ですが、実は車を走らせるうえで非常に重要な部品です。

当たり前ですがエンジンは燃料が燃焼して動きます。しかし、燃料が燃焼するためには空気が必要です。

エンジン内には常に燃料と空気が送り込まれているわけですが、エンジンを安定的に動かすためにはこの燃料と空気のバランスが非常に重要です。

アクセルを踏みエンジンの回転数が上がると、燃料と同時に空気もたくさん吸い込まれます。

その空気の吸い込み口の手前には「スロットル」という弁がついていて、その弁が開閉することで空気の取り込み量を調整しています。そのスロットルが収まってる部品のことをスロットルボディといいます。エンジンの回転数に合わせて必要な空気量を調整するのが主な役割です。

人間でいえば気管支みたいな場所ですかね?

そのスロットルボディが万が一正常に働かなくなったらどうなるでしょうか?

燃焼に必要な空気がうまく送り込まれなかったり、多く送り込まれてしまうと、エンジンがうまく燃焼しなくなります。

よく「信号待ちでアイドリングしているとエンジンが突然停止してしまう」「アクセルを踏んでもなかなか加速しない」などと言った症状が出る場合はこのスロットルボディが原因のケースが多々あります。

しかも・・・この60の「ノア・ヴォクシー」はスロットルボディの不調が起こりやすい車種でもあります。(車種というよりも1AZ-FSEエンジンが搭載されている車に多く起こるそうです)

理由は「地球環境に配慮するために、EGRによる排気ガスの再循環を行っている」からだそうです。話すと本当に長くなるので簡単に説明しますが、一度エンジン内で燃焼された排気ガスをまたエンジン内に戻して、最終的に排出される窒素酸化物である「NOx (ノックス)」を減らすよう工夫されているエンジンなんだそうです。

そのため、あまりアクセルを強く踏むような運転をしない街乗りメインの方や、長時間アイドリングするような運転が続くと、排気ガスの再循環がスムーズに行われずにスロットルボディ内に汚れが付着しやすくなるそうです。(トヨタさんもメーカーの見解としてきちんと発表しています)

今回のお車もエンジン不良、アイドリング不良で入庫しましたが、走行距離から推測するにこのスロットルボディが原因と考えられました。

スロットルボディ本体を交換するのが一番の近道かもしれませんが、まずは「分解して清掃」にトライしてみました。

ボンネットを開け、エンジンにつながっている吸気系統の部品を一つ一つ外していけば、スロットルボディにたどり着きます。

部品を取り外し、中身を確認すると・・・やはり内部がだいぶ汚れていました。これでは弁の開閉が上手くいかずエンジンに空気がしっかりと送り込まれません。

吸気系の洗浄液と綺麗な布で清掃し、部品に欠損がないかを確認したのちもとに戻して作業は終了です。

結果!!エンジン不良、アイドリングの不調も無くなり一件落着となりました。

一時的なものかもしれないので、しばらく様子を見てもらうということでお車をお返しさせていただきました。ご利用ありがとうございました。

今回のようにエンジンの調子が悪かったり、アイドリングが不安定な場合、すぐに「エンジンそのものが壊れた!」と思って慌てる方も多いかもしれませんが、今どきはオーバーヒートでも起こさない限り、エンジンが壊れることはそうそうありません。

エンジンの調子が悪い場合はその周辺部品の故障が原因のケースが多々あります。しっかり調べて修理すればまだまだ問題なく使えることの方が多いはずです。

エンジンが調子悪い⇒すぐに車の買い替え なんてもったいないです。ぜひ参考になさってください。

担当者:池田