スタッフ日記

スタッフがさまざまなテーマでクルマに関する情報をお伝えします。

海上自衛隊のヘリコプター!

2015年9月26日

ちょっと前の話ですが、子供のPTAの研修で、海上自衛隊、館山基地を見学に行きました!

そこでは、就職先(国家公務員)としての、仕事のお話を聞かせてもらいにいったのですが、やはり気になるのは、数々のハードな装備ですよね~(笑)

そこで、館山基地メインの装備である、哨戒ヘリコプターを見に行きました!

哨戒ヘリコプターとは、その名の通り、哨戒任務を担当する飛行機で、滑走路を必要としないヘリコプターなら、洋上の護衛艦でも運用でき、とても有力という訳です!

その日に展示されていたのは、SH60J!

近年では、その拡大改良型のSH60Kの勢力も増してきて、イベントで飾られている姿が減ったような気がしますが、いまだに一線級の装備です!

特に、海上自衛隊は、対潜水艦戦闘に特化した部隊なので、護衛艦搭載の哨戒機は欠かせません!

固定翼のP3Cは下総にあるし、回転翼のSH60シリーズは館山にあるし、千葉県は、飛行機を見るのに適した環境だと言えますね!

と、ここで、潜水艦戦闘に強いという事の、隠された意味について、ちょっと話しておきますね!

現代の海戦において、潜水艦ほど攻撃力の高い兵器は他になく、イージス艦であろうと、例え空母であろうと、喰ってしまうのが、潜水艦なんですね(怖)

限られた潜航時間を弱点に持つ通常動力艦(今現在、原子力潜水艦以外の、ディーゼルエレキトリック艦の事)ですが、海自の「そうりゅう型」に至っては、1週間以上も連続潜航が可能だと言われているし、その隠密性とともに、脅威度の一番高い存在とも言えます!

そんな潜水艦を、どう防ぐかといったら、早くに見つけて、先制攻撃をする(見つけた事を知らせて、帰ってもらう)という、簡単なようで難しい作業になる訳です(汗)

しかも、日本近海は、海流や海溝が入り組んだ、複雑な海洋条件な為に、普段からの地道な観測が欠かせないんですね。

と、対潜水艦戦闘は色々な自然条件も重なり、難しい事には変わりないのですが、それは進軍してくる敵の艦船にしても同じことで、特に潜水艦のような、立体的な動きをするものにとって、複雑な海洋条件は、ハンディキャップ以外のなにものでもありません。

なので、その事象を詳しく知っている、自国の海域で、敵の潜水艦に負ける訳は無いのです(キッパリ)

一級品の装備を持つ海上自衛隊の場合、複雑な海洋条件は、ハンディキャップどころか、時には味方にも出来るんですね!

そんな、潜水艦を防ぐことを主任務とした部隊の潜水艦が、強くない訳はなく、世界最強の対潜水艦部隊を演習相手として育ってきていますから、その強さも世界一というのもうなずけます!

演習で米空母を撃沈しているのは、何を隠そう、海自の潜水艦だけですからね!

話はそれましたが、UH60Jは、そんな海戦を行う上での優れた目であり、攻撃を行う上でも有効なオプションなんですよ!

対潜水艦兵装には、機体中央に吊られたかたちに搭載された、航空機搭載型ソナー=ディッピングソナーがあります!

対潜哨戒任務において、メインの装備ですね!

ソナーとは、音響探知機で、空気より密度の濃い水中では、音の伝わりが、はるかに速く確実で、電波や可視光線の通りにくい海の中の物体を探知するのに、適している為に使われます!

空中でホバーリングするヘリコプターから、海中に下ろし、母艦のはるか前方の海域を捜査するんですね!

母艦、後方は、TCCS (戦術曳航式可変深度ソナー)で見張れますが、前方は、ちょっと手薄なんですね(泣)

自艦のソナーを最大限に生かす為には、機関停止し、雑音を出さないようにしなければなりませんが、TCCS は、曳航するので、航走しなければならないんですよ。

つまり、自艦のたてる雑音が、じゃまになってしまうんです。

そこで、ヘリコプターの出番となる訳ですが、その仕事ぶりは、ソナーを沈めるだけでは、きかないんですね~!

機体下部の円盤の中には、水上レーダーが入っているので、進出と同時に、艦から見た水平線より先のレーダーサーチが可能となり、ディッピングソナーを下ろした後も、母艦とはリンクしているので、その情報は、相互で共有しています!

もし、敵潜水艦を見つけたら、母艦より先に、単魚雷や、音響警告弾を撃つこともできますし、探知を知らせるだけで、相手の動きを封じることも出来ます!

つまり艦載ヘリコプターは、母艦の、見えない所まで見渡す千里眼であり、強力な兵装なんですね!

ディッピングソナーは深度設定次第で、可変深度ソナーとなり、変音域以下の捜索が出来たりと、便利な事この上ないんですよ!

そして、このカラフルで、可愛いヤツ(3枚目の写真)が、MAD (磁気探知装置)です!

ロービジの機体にも関わらず、MADが赤と黄色のビビッドなカラーリングにされているのは、 海中に沈め(浮かせ?)て、曳航するためなんですね!

磁気探知機というので、鉄で出来た潜水艦の磁気を探すのかと思いきや、潜水艦のような大きな鉄の塊がいることで、地磁気が乱れるのを感知するという仕組みで、比較的、浅い深度にいる潜水艦を探知する装備です!

対潜水艦戦闘というのは、いまいち分かりにくく、地味な感じがしますが、先の先の先まで予測しながら、手にはいるデータに思いを馳せて、見えない敵の動きを予測する、ハードな心理戦なんですね!

それを成し得るのは、ヘリコプターだけではなく、母艦だけでもない、船乗りならではの連帯感なんだと思います!

私達も、1人、1人の役割をキッチリとこなし、お客様のカーライフをしっかり守っていきますよ~!

担当者:影近